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2010年5月31日アーカイブ

漢方で効果が期待される分野に「不妊治療」があります。高度な治療を行っても、妊娠できない人が必ず存在するためです。

長く不妊治療も行ってきた南多摩病院産婦人科の村田高明医師は、「子宮癒着などの器質性の不妊は別として、ホルモン異常による不妊や原因不明の場合などには、漢方を試す価値はある」と話しています。

村田さんの治療ではまず、冷え性や太りすぎ・やせすぎ、自律神経失調症などの症状を治し、「妊娠できる体」を作ります。併せて不妊の原因を取り除くことを目指すそうです。

南多摩病院で治療した1990年~2002年の村田さんのデータによると、3150人の女性のうち、妊娠したのが900人で、妊娠時に服用していた漢方薬は、冷え性の治療にも使われる当帰四逆加呉茱萸生姜湯(とうきしぎゃくかごしゅゆしょうきょうとう)や当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)のほか、排卵誘発剤と似た効果を持つ温経湯(うんけいとう)、不眠など精神的な症状を改善する加味逍遥散(かみしょうようさん)が多かったということです。

「不妊の女性は冷え性で、ストレスを抱える傾向も強い。ストレスは精子の数を減らし、男性の不妊にもつながる」と村田さんは話しています。精子の運動率を高める「補中益気湯(ほちゅうえっきとう)」を処方することも多いそうです。また、「不妊の根本には男女とも体力不足があると思う。『力を補う』漢方こそ、現代に適した治療では」と指摘しています。

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