カレンダー

« 2008年12月 »12345678910111213141516171819202122232425262728293031

2008年12月アーカイブ

「不思議なくらい売れている」とメーカーが話すのが家庭用血圧計です。国内市場の7割近くを占めるオムロンヘルスケアによると、自分の健康管理のために購入する人が増えており、半分は正常値の人だそうです。

腕を入れると上腕式と、腕に巻き付けるタイプ、手首で測る機種があります。健康管理を考える正常値の人は、手軽に測れる手首式を選ぶケースが多いようです。

使い方についてオムロンの担当者は「正確な測定には、手首を心臓の高さに合わせることが大切」と強調しています。測る際の手の高さによって血圧が変わり、手を高く上げていれば低く、下げれば高くなるためです。心臓の高さから10cm離れると血圧が平均で8程度変わるそうです。腕をだらんと下げて測れば、血圧が30ほど高くなるといわれます。

同社では、測定制度を高めることに特に力を入れており、測定姿勢をセンサーが検地する「手首高さガイド」や、腕の太さにかかわらず、腕帯を簡単に巻き付けられる「フィットカフ」などの機能を付加した製品を開発してきました。

近年注目されているのが、、家庭でしか発見できないとされる「早朝高血圧」です。家庭で測定する場合、最高血圧が135以上、最低血圧が85以上あることが高血圧の目安となっておりますが、これらの数値を朝に超えた場合を早朝高血圧と呼んでいます。

心筋梗塞や脳梗塞が早朝の時間帯に発生しやすいとのデータがあることから、起きてから1、2時間以内に測ることが推奨されています。目安となる値を超えた場合、自動的に注意を促す機能付きの機種もあります。

まだ一般的ではありませんが、血圧以外にも、血糖値や尿糖を測る機器が、一般向けに発売されています。毎日の健康管理のため、活用を検討したいところです。

家庭での血圧測定5つのポイント

  1. リラックスして測る
  2. 排尿、排便してから
  3. 座った姿勢で
  4. 毎日同じ時間帯で
  5. 20度前後の部屋で

同じ空気でも、暖めると湿度は下がります。エアコンが普及したため、オフィスでも自宅でも、のどは乾燥にさらされています。乾燥を防ぐために様々なグッズも活用したいところです。

「のどを潤わせることは風邪の予防に役立ち、風邪の症状を和らげるのにもよい」と製薬会社ののど関連商品の研究員が話しています。

のどの粘膜には繊毛があり、外気の汚れや細菌、ウイルスを外へ運び出します。粘膜が乾燥すると、繊毛は堅くなって動きが鈍り、病原菌に感染しやすくなるといわれています。

最も手軽な便利グッズは「のどあめ」です。唾液の分泌が増えて保湿に役立ち、唾液には抗体が含まれるので免疫力も向上します。医薬品のトローチなどは炎症を取る作用があるので、のどがイガイガするなどの症状がある時に使います。

こまめな水分補給も大切です。フルーツジュースやはちみつジュースなど、粘りけのある甘い飲み物は、のどに栄養を与え、水分を保ちやすいのです。

暖房した部屋には、加湿器があるとよいでしょう。ただし、雑菌が繁殖しないよう、タンクの洗浄などで清潔に保つようにしてください。

注意したいのは睡眠時です。唾液などの分泌が減り、うっかり口を開けて寝ていると、さらに水分を奪われます。

簡単な対策は、マスクをつけて寝ることです。吐く息の水分で、吸う空気の湿度が保たれるのです。製薬会社の実験では、外気の気温が約40%の時、マスクをつけて3分後には内側の湿度が80%に上がりました。

もちろん昼間にマスクをつけるのもおすすめです。保湿効果の高い使い捨ての「ぬれマスク」などもあり、とくに飛行機など乾燥の激しい空間で重宝します。

この季節は、肌だけでなく、のどの保湿ケアも重要です。

胃の不調を薬でしのぐ人も少なくありません。当然、薬局を利用する機会も多いと思います。ですが、その薬局には様々な胃薬が並んでいます。

電話で薬の相談に応じている日本薬剤師会中央薬事情報センターの担当者は「薬のタイプを知って使い分けて。特に持病があってほかの薬を飲んでいる人は、胃薬との相互作用に注意を」と話します。胃薬がほかの薬の効き具合に響くことがあるためです。

例えば、空腹時や夜間の胃の痛みやむかつきに効くのが、胃酸を押さえる薬です。大別すると、胃酸を炭酸水素ナトリウムなどで中和する「制酸薬」と、胃液を分泌する細胞に働く「H2ブロッカー」と呼ばれる薬のタイプがあります。

制酸成分のうち、炭酸マグネシウムやケイ酸アルミニウムなどは、抗菌剤の効き目を弱めてしまいます。例えば、ぼうこう炎で抗菌剤を服用する人が胃薬を飲むと、せっかくの抗菌剤の効果がでないことがありうるのです。抗菌剤は、副作用で胃腸障害を起こすことがあり、自己判断で胃薬を併用する人も多いため、注意が必要です。

また、H2ブロッカーの胃薬の一部に含まれる「シメチジン」という成分は、胃酸を抑えるだけでなく、体内での薬の分解も抑制するため、ほかの薬の効きにも影響しやすのです。睡眠薬を飲むと効き過ぎてしまうことがあります。

H2ブロッカーは、よく効きますが、3日間飲んでも治らない場合は医療機関で診てもらったほうが良いでしょう。繰り返して飲まなければならないほどの痛みには、潰瘍(かいよう)などの病気が隠れていることが多いからです。

そのほか、胃腸薬には、胃粘膜の保護や修復を促進する「胃粘膜保護薬」、消化を助ける「消化酵素製剤」、生薬を中心として胃腸を刺激する「健胃薬」や「総合胃腸薬」などあるので、使い分けが必要です。また、薬剤師に相談する際には、どのような時に、どんな症状が、とこに表れたかを正確に伝えましょう。

多様な胃薬を選ぶ時の目安

▼空腹時、夜間に胃痛やむかつき
H2ブロッカー制酸薬胃粘膜保護薬

▼さしこむような胃痛
鎮痛鎮痙(ちんつうちんけい)薬

▼食後の胃もたれ、胸焼け、二日酔い
消化酵素製薬健胃薬総合胃腸薬

▼食後時間がたっても胃がすっきりしない
健胃薬総合胃腸薬

▼なんとなく胃の調子が悪い
総合胃腸薬

「症状が繰り返し表れる」「ものをのみこむ時に痛い」「激しい痛み」「強い吐き気」などの時には、医療機関での受診をおすすめします。

旅行で、免疫力の向上も期待できるといわれます。

20年前に悪性リンパ腫を患った埼玉県の主婦、根岸さん(72才)は2000年、日米のがん患者で富士登山をする企画に参加し、以来、山登りを楽しんでいます。

体力をつけるため、毎日5千~1万歩は歩くそうです。手術で胃を摘出しましたが、頑張って食べるようになりました。
根岸さんは「目標ができ、生活に張りができた。旅のおかげで、半年ごとの血液検査の結果も良好」と話します。専門の医師は「旅行にでかけると、血液中に含まれる免疫細胞の一種で、がん細胞を破壊する『NK細胞』が活性化する」と説明します。

旅先で美しい景色を眺め、優れた文化財に触れて感動するとストレスホルモンが減り、NK細胞が活性化したと考えられます。

胃がんで1993年に亡くなったアナウンサー、逸見政孝さんの妻で、自身も子宮頸(けい)がんを患った晴恵さん(59才)は昨年、仲間とトイツ旅行にでかけました。その際、都内のクリニックに依頼して旅の前後にNK細胞の活性度を調べました。すると採血した13人中10人のNK細胞が旅行前より活性化していました。
NK細胞の働きは、国内研究グループが、発がん率との関係を調べた結果が2000年、海外の医学誌に発表されました。一般市民約3500人を11年間追跡したところ、NK細胞の働きが弱い人はそうでない人より、がんの発生率が2倍近く高いという結果になりました。

活性化したNK細胞も日常生活に戻れば元に戻ってしまいます。日頃から、美しい芸術作品を見たり、映画を観たり、感動体験をする心がけが大事です。心を喜ばせれば、自然と体も元気になり、健康でいられるということです。
時間とお金に余裕のある方は、ぜひ、旅に出ることをおすすめします。

serotonin.jpg
長時間の勉強や仕事で疲れた時、チョコレートなどの甘い物を口にして、また元気がわいてきたという経験をしたことがないでしょうか。

脳がエネルギー源として利用できるのは、ブドウ糖だけ。甘い物に含まれる砂糖は、食べるとすぐに果糖とブドウ糖に分解されるため、活動した後の脳にエネルギーを補給するのには最適です。

実は、ブドウ糖にはもう一つ、脳の働きをサポートする重要な役割があります。

脳内には、脳を興奮させ、集中力を高めるドーパミンや、脳をリラックスさせるセロトニンなどの神経伝達物質があり、脳がうまく働くのを助けています。

セロトニンが欠乏すると、学習や記憶の能力が低下します。セロトニンの原料は、必須アミノ酸のトリプトファンですが、ブドウ糖が不足していると、他のアミノ酸が先に脳内に取り込まれ、トリプトファンが入りにくくなってしまいます。

イギリスのチームが、アルツハイマー病患者を対象に行った研究では、ブドウ糖の摂取により、文章や単語、人の顔を記憶する力や方向感覚が向上する効果が確認されました。

セロトニンを効率よく分泌するには、トリプトファンを豊富に含む乳製品や肉、魚などと一緒に、砂糖をとるようにすると良いでしょう。日本応用糖質科学名誉会員の橋本さんは、「欧米で、肉料理の後に甘いデザートを食べるのはそのため。消化するとブドウ糖になるコメの食事なら、食後に甘い物は必要ありません」と言っています。

そんな橋本さんも、「受験生にぴったり」と薦めているメニューは、ずばり「すき焼き」です。トリプトファンが豊富な牛肉や鶏卵と、砂糖を同時にとることができる、正に受験生の必勝メニューということになります。

このアーカイブについて

このページには、2008年12月に書かれたブログ記事が新しい順に公開されています。

前のアーカイブは2008年11月です。

次のアーカイブは2009年1月です。

最近のコンテンツはインデックスページで見られます。過去に書かれたものはアーカイブのページで見られます。